ケーキとAIの融合、ビスキュイでDXが進行中

2021 年 3 月 11 日

東京の下町、葛飾柴又にあるお菓子屋ビスキュイは、カフェを併設した人気のケーキ店だ。看板商品が休日の午前中には売り切れるというこの店に、AIレジシステムが導入されることが決まった。このシステムによって、レジ作業の効率アップとともにDX(デジタルトランスフォーメーション)を実施し、これまでのケーキ屋の常識を破る。

バラエティに富んだケーキが並ぶサンタフェスタイルの城
1996年に創業したビスキュイは、レンガ色を基調としたサンタフェ風の建物で、店内にはバラエティに富んだたくさんのケーキが所狭しと並んでいる。焼き菓子、ロールケーキ、マカロン等々、多種多様でユニークなスイーツが見た目にも美味しい。敷地内にカフェも併設しており、お城のような雰囲気の中でアフタヌーン気分が味わえる。

AIレジシステムで作業効率アップ、お客様の嗜好も掌握
新鮮なケーキは袋詰めしたり値札を貼ったりすることができないため、お会計の際にはレジスタッフが商品と価格を手作業でPOSレジに入力することになっているが、混雑時は商品価格のみを打ち込むことも少なくない。売り上げ金額は把握できても、商品毎の販売状況が把握しづらく、商品数の即時管理やセールスマーケティングにつなげることができないという悩みがあった。

そこでビスキュイは、レジ作業の効率アップを目指し、アニーとViscoveryで共同開発したAI画像認識レジシステムの「ninascan」の導入を決定。これは、人の代わりにコンピュータとそこに接続したカメラに商品識別をさせるシステムで、レジスタッフは写真撮影の要領でボタンをタップするだけで、コンピュータがお買い上げ商品の画像を読み込み、1秒で全ての商品を識別する。
簡単、スピーディなお会計で、店舗スタッフの負担も減り、お客様の満足度向上につながる。

AI画像レジシステムは、スピーディさはさることながら、完全な販売データの記録も行えるため、セールス状況の全面把握ができるようになる。お客様の嗜好の変化を読み解き、潜在的なニーズやビジネスチャンスを発見し、更なる創作やサービス向上へと繋げることが可能になる。

AIが人の思考をシミュレート、ケーキ類もスマートに識別
この「AI画像認識レジシステム」は、人工知能とディープラーニングを駆使し、人と同等の判断力を自身で学ぶよう設計されている。例えば、ケーキに振りかけられた粉砂糖の量や、不揃いなブルーベリー、トッピングされたチョコの位置、包装フィルムの違い等々、手作り商品は一つひとつ表情が異なるが、人と同じように「同じ商品である」ことを認識する。同種類のケーキを複数個揃えて置いても個別の商品であると認識するし、複数個を1秒で同時認識するので、レジ作業時間が平均して45〜50%短縮でき、お客様のレジ待ちによるストレス解消、満足度の向上にも繋がる。ビスキュイの販売副主任須郷 絵美さんは、「このシステムは、お買い上げ点数が多いほど威力を発揮してくれる。」と話す。

混雑解消の頼もしい味方、新人スタッフも即戦力に
「AI画像認識システム」は、ビスキュイにはなくてはならない存在となっている。毎日、数百にも及ぶアイテムのレジ入力をこのシステムが賄ってくれる。
ビスキュイの販売主任山口 柚子さんは「クリスマスやバレンタイン等のイベント時には、いつもの2〜3倍のお客様がいらっしゃるので、レジはいつもてんてこまいだったが、このシステムのおかげで余裕をもって対応できるようになった。ルーチンワークの部分をコンピュータに任せることで、お客様対応に時間を割くことができ、顧客満足度アップにも繋がっているようだ。」と話す。

レジ作業を大幅に簡略化するこのシステムはベテランスタッフだけでなく、新人スタッフにも扱いやすい。通常、新人スタッフが商品を把握し、独立してレジ作業を行えるようになるまで1ヶ月程かかるところを、このシステムなら2週間まで短縮することができるため、ケーキ等を扱う店舗が抱える隠れたコストの削減が可能になる。また、手作業で発生しがちなイージーミスをも減らし、結果的に全体の運営効率をあげることに繋がる。

技術の進歩と発展によって、AIはもはや遠い未来のことではなく、ごく身近なところで採用され始めている。
解決すべき課題、強化したいサービスの根本理由を掘り下げ、それに見合うAI技術を取り入れることで、どんな職種においても実質的な問題解決やDXが可能となる。

▲ フィルム等があってもAIが正確に識別
▲ ケーキ類を揃えて置いてもAIが賢く識別する