iPad POSとAIの連動!
デリカテッセンベーカリーTHE BAKE STOREが AI導入でさらにパワーアップ

2021 年 9 月 8 日

大阪にあるTHE BAKE STOREは、お客様の健康を考えた厳選食材を使い、本物のパンと本格シェフ級のデリカテッセンを提供するデリカテッセンベーカリーという新しいコンセプトのベーカリー。ココロとカラダに美味しいパンと惣菜で、お客様の舌を満足させている。
美味しいモノには完璧な「ショッピング体験」がふさわしいという考えの元、この度Viscoveryと提携し、AI画像認識レジシステムを導入。品質、体験、美味を兼ね備えるベーカリーにパワーアップした。

パンや惣菜、ドリンクと多岐にわたる商品、バーコードがない商品のレジ入力が悩みの種
無包装の焼き立てパンや、器に盛られたサラダ、オムレツ等々の惣菜、そして炭酸水等の飲料類と、THE BAKE STOREで取り扱う商品は多岐にわたる。お会計の際にスタッフはバーコードがある商品はバーコード読み取りを、無包装のパン類は肉眼で確認し、一つ一つPOS入力する必要があった。

レジ作業を簡略化し、レジ待ち時間を短縮するため、THE BAKE STOREでは最新テクノロジーによるソリューションの導入を積極的に検討していたところ、全てのニーズに合致したのがViscoveryのAI画像認識レジシステムだった。
このシステムは、カメラの下に商品を置くと、包装の有無に関係なくコンピュータが全ての商品を1秒以内に識別する。レジスタッフはその結果を確認しボタンを押すだけ。すぐにPOSシステムに反映され、レジ作業を格段にスピードアップすることができる。

「とても便利です。無包装のパン、容器に入ったケーキやサラダ等の惣菜、ボトル状のドリンク類も、AIが一瞬で識別してくれるので、レジ作業の80〜90%が簡略されました。レジ作業全体では50%程の時間短縮につながっています」とスタッフの野村さん。

▲ THE BAKE STOREでは、サラダやオムレツ等の惣菜に加え、炭酸水等、従来のベーカリーの枠を超えた商品展開をしている
AIが素早く認識した後、認識結果をiPad POSレジに送信し、iPad POSレジとAIの連動によりお会計を加速させます。
▲ THE BAKE STORE の実際の認識画面

コロナ禍での提携と導入
Viscoveryが台湾の会社であることを知ったTHE BAKE STOREは当初、導入はもとよりアフターケアについても不安を感じていた。折悪しくコロナ禍とあって、日本と台湾を行き来することもままならなかったが、コミュニケーションを重ねることで、不安感を消し去ることができた。「当店のニーズや希望する仕様、配置やシステムの接続まで、全てネットを通じて行うことができました。理想を言えば、実際に会って話を進めたかったのですが、コロナ禍でこのような協力体制が取れた上に、システム導入までスムーズに行えたことは、とても新鮮な体験でした!」とシステム担当の鈴江さんは満足そうに話す。

「問い合わせ前は、今使っているiPadのPOSレジ等を一新せざるを得ないかもしれないと危惧していましたが、こんなに簡単に導入できるとは思いませんでした。Viscoveryのビジョンキットを関連設備に接続するだけでOK!現行のiPadもそのまま使えるし、レジスタッフのオペレーションをほとんど変えることなく導入できるので、とても便利です!」と鈴江さん。

新型コロナウイルスの流行期間中、ViscoveryはオンラインでTHE BAKE STOREをサポートし、店内のiPad POSレジとAIを完璧に統合させました。
▲ Viscovery の白いビジョンキットとTHE BAKE STOREのレジカウンター

お客様用のモニターを設置し、より安心感を
THE BAKE STOREではAI認識のメリットをさらに体感していただくため、スタッフ操作用のモニターとは別に、お客様用のモニターで、認識結果を同時に確認できるようにしている。
直感的でわかりやすい商品識別の過程を、お客様と共有することで安心感にもつながっている。自動認識の様子を見たお客様から感嘆の声が漏れることも多く、同時に店舗イメージの向上にも貢献している。

iPad POSレジとAIの連動の他に、THE BAKE STOREは客面モニターを設置し、来客にAIの画像認識結果を明確に表示させ、消費者の安心感を高めました。
▲ お客様と一緒にAIの識別過程を確認、安心感を高める

光源が変わっても識別能力に変化なし
THE BAKE STOREの店内には大きな採光窓があり、自然光に溢れたリラックスできる空間は、お客様に安心感を与えることに一役買っている。しかし、例えば朝日と夕日とでは、同じ商品でも影の落ち方や光沢に変化をもたらし、AIの認識能力に影響を及ぼす可能性は否めない。
Viscoveryでは、開発の初期段階において「光源の変化」による影響について十分に注意を払い、「ディープラーニング技術」によってAI認識モジュールに学習させることで対応できる仕様となっている。しかし、広い空間における自然光の変化という環境下でも十分な能力を発揮させるというのは大きな挑戦だった。

「Viscoveryへ問い合わせるまで、光源の変化がAIに影響を与えるということを考えたことがありませんでした。なので、導入後は昼と夜とで認識に差がでるかどうか注意深く観察していましたが、差はほとんど感じられませんでした。ViscoveryのAI認識モジュールは、光源の変化に十分対応しています」と鈴江さん。しかしこうも続ける。「外見が似ている商品の識別はやはり難しいようです。レジスタッフですら間違えることがあるくらいですから」。

「Viscoveryの皆さんは、シールを貼って商品を区別しやすくする等のアイディアを積極的に出してくれました。外観上の小さな違いが、AIにとっては識別の大きな手がかりなんですね」と鈴江さん。

▲ 画面上部の三つのハンバーガーは、商品の見た目を少しだけ変え、認識しやすくした例

オーダーの仕組みとレジ作業を刷新
ViscoveryのAI認識レジシステム導入前は、オーダーを正確に把握するため、オーダー用紙にお客様が注文を記載していたという。「パンの商品数を増やすにあたり、オーダー用紙を廃止しつつ、スタッフがパンを正確に、かつスピーディーにPOS入力できる仕組みが必要になりました。この課題を解決するために、AIシステムの導入を決めました」と鈴江さん。

THE BAKE STOREは、このコロナ禍が落ち着いたら、より多くのお客様にご来店いただき、焼き立てのパンの香りとヘルシーな惣菜、そして最新テクノロジーを駆使したAIレジの「気配り」と利便性を体験してもらえたらと期待している。