大阪市北浜の foodscape! がAIを活用し、
サービス品質向上を目指す

2021 年 3 月 3 日

台湾高雄の人気パティスリー「オペラ洋菓子店」は昨年(2020年)末、大手スーパー全聯と提携し、台北で期間限定スイーツを販売し好評を博した。
オペラ洋菓子店は、本店を高雄に置く、連日行列ができる人気パティスリー。レジ作業効率アップのため日頃からスタッフ教育に力を入れているが、この度「AI画像認識レジシステム」を導入することとなった。人の代わりにコンピュータで自動で商品を認識する魔法のようなツールが、レジ作業のスピードアップを助ける。

旬の新鮮な素材にこだわったバラエティ豊かな和風洋菓子
オペラ洋菓子店は1995年に創立された台湾初の和風洋菓子専門店だ。日本の製菓職人精神のもと、厳選した旬の新鮮フルーツと高品質の素材を使用する26年来の変わらぬこだわりと、自然の風味豊かでバラエティに富んだ商品数で多くの顧客の心を掴んでいる。

▲ スイーツ好きを虜にするバラエティに富んだオペラ洋菓子店の商品

偶然の出会いがDXの幕開け
オペラ洋菓子店の創業者謝文額が日本のベーカリーショップで「AI画像認識レジシステム」と出会ったのは全くの偶然だった。レジで効率よく行列が消化されていく様子に驚くと同時に興味を持った。
出来立てのパンやスイーツは袋詰めに適さないため、当然値札を貼ることもできない。お会計の際には販売スタッフが肉眼で商品を識別し、個別にPOS入力するか、バーコード帳から該当商品のバーコードをスキャンする等の工夫が必要だったが、この一手間がお客様の待ち時間に影響し、ショッピング体験を低下させていた。

この「AI画像認識レジシステム」は、バーコード帳も必要なく、商品の外観の画像だけで商品を識別し、1秒で同時に複数個の商品を認識することができる。早くて便利なこのシステムは、商品数が多いオペラ洋菓子店にとってまさに打って付けだ。調べてみると、このAI技術はViscoveryという台湾の会社が開発していることがわかり、それなら話は早いと、とんとん拍子に導入が決定した。

全商品をカバーするシステムが1秒で商品を認識
この「AI画像認識レジシステム」は、コンピュータビジョン、人工知能、ディープラーニング技術を結集し、コンピュータに人と同じ判断能力を持たせている。人の目で識別可能なもの全てに適応可能で、商品外観上の微妙な違いにも影響されない。例えば、焼き立てのクロワッサンと、袋入りビスケット、缶入りクッキーが混在していても、1秒で同時に正確に識別が可能だ。レジ作業時間を平均45〜50%短縮でき、お客様の待ち時間を軽減し、最適なショッピング体験を提供する。

▲ 商品をカメラの下に置くとコンピュータが1秒で商品と個数を識別。店舗スタッフはそれを確認するだけでお会計ができる

「あったらいいな」から始まるテクノロジー、メリットの最大化が最終目標
お買い上げ商品数が多いほどこのシステムは優位性を発揮する。オペラ洋菓子店では、これまでレジ作業に費やしていた時間を、陳列商品の管理やインタラクティブなサービス提供等、お客様対応に充てることで、顧客満足度を測る予定だ。
テクノロジーの進歩は人間の「こんなことができたらいいな」が出発点。人工知能を賢く利用することが、令和時代の小売店オーナーにとって理想への近道と言えるだろう。